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光波駆動STMを用いた時空間ダイナミクス計測

吉田 昭二

筑波大学 数理物質系

 近年テラヘルツ~中赤外領域の光パルス生成技術が進展し1サイクル未満の振動サイクルを持つパルスを発生しパルス中の電場位相を自在に制御することも可能になってきた。光波駆動STMは、そのようなサブサイクル光で直接STM探針-試料間のトンネル電流を瞬間駆動することで試料の瞬時状態を捉える手法であり、これまでに原子分解能と30フェムト秒未満の時間分解能が実証されている。我々はこれまで物質表面の光励起状態とそのダイナミクスの計測を目的として実験を進め、C60薄膜や遷移金属ダイカルコゲナイド原子層上の電子ダイナミクスの計測行ってきてきた。本公演ではそれら成果に加えて今後の展望についても紹介したい。